嶺峰院は神峯山寺の山内にあり、「遺骨で行う葬儀から納骨・法要まですべて一貫して完了できる」寺院です。

比叡山延暦寺・天台宗に属し、御本尊は阿弥陀如来。
遺骨葬を始め、亡くなった方々の彼岸法要や年忌法要、先祖供養がおこなわれています。

嶺峰院の歴史

 嶺峰院回向堂はもともと「常念仏 阿弥陀堂(じょうねんぶつ あみだどう)」として西暦1100年以前にはすでに神峯山寺の一部として存在していたと思われます。神峯山寺(かぶさんじ)は文武天皇の即位元年(697)に役の行者(えんのぎょうじゃ)によって建立。明治天皇にいたるまで歴代天皇の勅願所とされてきた古い歴史を持つ寺院ですが、その神峯山寺の天明3年(1784)の古文書によると「常念仏 阿弥陀堂」はその当時すでに相当年数を経た古いお堂で建立年月日は不明である、と記されています。 

 一方、神峯山寺の秘密縁起によると、大治年間(1126)大原荘、今の高槻市原に橘輔元(たちばなのすけもと)という人がいて、悪疾を患ったが、神峯山寺の「阿弥陀堂」で念仏(なむあみだぶつ)を一心不乱に昼夜お唱えしたところ全快。自ら僧となって、良恵(りょうえ)と名のり伽藍を建立した、とあります。 

 その「常念仏 阿弥陀堂」は近世に焼失しましたが、ご本尊の阿弥陀如来は神峯山寺に現存しており、国指定重要文化財になっています。そして平成15年にその阿弥陀堂は「嶺峰院回向堂」として再建されました。

御本尊は人々の極楽浄土を願う阿弥陀如来、それに観世音菩薩と誓至菩薩が脇侍として祀られています。
また永代供養御位牌が並ぶ壇には、地蔵菩薩と観世音菩薩が祀られ、ご先祖様の魂を護ってくださっています。